先制的自己再生医療 実現への取り組み

健康長寿社会の実現を目指して

日本人の平均寿命は男性79歳、女性86歳ですが、健康寿命は男性70歳、女性73歳と言われています。(※健康寿命とは日常的に介護を必要としないで、自立した生活が出来る期間を指します) 日本では多くの人が、10年、もしくはそれ以上の期間、介護が必要とされる生活を強いられているのが現状です。世界の先進国に先駆けて長寿社会を確立した日本ですが、健康長寿社会の実現には未だ至っておりません。

平均寿命と健康寿命の差
[出典]厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会「健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料」p25

この現状は、本人だけでなく、周囲の人間にとっても大きな精神的、経済的負担になっています。それは国にとっても負担となり、膨れ上がった医療費は年間38.4兆円(平成24年度)と、42.3兆円(平成24年度)の税収とほぼ肩を並べるまでになり、国の財政を圧迫しています。国の財政と個人の幸福(Quality of Life)、そのどちらものために健康長寿社会の実現が求められているのです。

先制医療の有用性

この健康長寿社会実現のために、現在注目されているのが先制医療です。 疾患の多くは発症前に対処する事で予防・遅延および発症後の重症化を避ける事が出来ます。 より早く手を打つ事で、より安く、より効果的な治療効果を見込める事が先制医療の利点と言えます。

Copyright © JST 研究開発戦略センター戦略プロポーザル先制的自己再生医療の確立に向けた基盤的研究の推進~これからの再生医療研究のあり方~

発症前に疾患を予見する事は可能なのでしょうか?答えはYesです。
現在、遺伝子や生活習慣、胎児期の環境が疾患の発症と進行に与える影響が解明されつつあるため、病態を予測し、発症前に治療を始める事が可能になってきています。
精密な検査によって将来の疾患の可能性を探知、発症前に治療を開始する事で疾患の予防、
または重症化を避ける事が出来る先制医療は健康長寿社会の実現に深く関連しているのです。

EndoSCAによる先制的自己再生医療の可能性

現在、その先制医療における効果的な手段として期待されているのがEndoSCAです。
再生医療分野におけるiPS細胞やES細胞への期待は非常に大きいものですが、細胞移植には大きなリスク(がん化など)を伴うため、実用化にはまだ時間がかかります。

EndoSCAについてはこちら

EndoSCAは「細胞を移植せずに自己再生能力を促進させるもの」であるため、安全性が高く、かつ細胞そのものを投与する場合と同等の効果が得られるのです。尚、現時点では、脳梗塞、糖尿病、脊髄損傷、肝疾患、皮膚炎、肺疾患に有効であることが動物モデルによって証明されています。
(南東北病院グループでは肝硬変、糖尿病の患者を対象に臨床試験が行われています。)
また、細胞を採取、投与する必要がなく、外科的なプロセスを必要としない手軽さも先制医療と相性の良い点であると言えます。

EndoSCAを用いた再生医療の可能性

先制的自己再生医療は既に皆様のお手元に

当社と提携したクリニックを中心に、EndoSCAを使った再生医療は既に展開され始めています。
先制的自己再生医療の試みは既に始まっているのです。

実用化による経済効果

EndoSCAによる治療、改善が期待されている疾患の一つにアルツハイマー型認知症があります。
独立行政法人科学技術振興機構(以下JST)の報告によれば、2010年における患者数が262万人。
1ヶ月あたりの介護費用を75,000円とすると、発症を2年遅らせるだけで5,000億円の介護費用等が軽減出来ると試算されています。たった1つの疾患治療に、これだけの経済効果が期待出来るのですから、その可能性は図り知れません。
また、発症後に治療の困難な疾患にとって、発症前の予防手段が開発される事は、根本的な解決手段と成り得るため、その実用化が期待されているのです。

先制的自己再生医療については、独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター(以下JST)が2014年4月2日に発行した戦略プロポーザルにて詳細に言及されています。

戦略プロポーザル先制的自己再生医療の確立に向けた基盤的研究の推進~これからの再生医療研究のあり方~
(PDF形式、2.7MB)

当社の取り組みには、前述の戦略プロポーザルにおける3つの課題(介入コンセプトの確立、先制的介入診断技術の開発、介入技術の開発)の解決に貢献する事が期待されています。

自社グループ、また外部医療、研究機関との連携により、臨床からの知見、フィードバックを共有。自己再生メカニズムを解明する事で、自己再生を促す物質の特定と技術開発に継続的に取り組んでいきます。

なお、「細胞を用いない先制的自己再生医療」というコンセプトは日本独自のもので、世界には未だ存在していません。確立されれば医療パッケージの輸出や医療ツーリズム等、世界市場をターゲットとした事業展開が期待できます。無限の可能性を秘めながら、遠い未来でなく、今皆様の手の届くところにある先制的自己再生医療。それが、T&Cメディカルサイエンスが提供する「EndoSCAを用いた再生医療」なのです。